1.大洋システムテクノロジーの蕭敬如氏の人生における命題

「大きな夢を抱くために、いかに生きるか」
株式会社大洋システムテクノロジー代表取締役会長兼社長・蕭敬如(しゅく・けいじょ)氏は、その命題を常に意識してきた。人生に大いなる夢を持つことこそが幸せ。それができるのは、「心が豊かな証拠」だという。

「人生の幕を下ろす時、悔いがないようにしたい。それを胸に留め、いかに日々を生きるか。考え抜いて課題に立ち向かう人だけが、真に『豊か』な日々を過ごせるのです」
そう語る蕭氏は日系3世で、日本で生まれ育った日本語と中国語に堪能なバイリンガル。自分のルーツを活かし、中国からの研修生を積極的に受け入れ、中国本土にも進出。国内の経済界はもちろん、華僑団体とも幅広い交流を持つ。ちなみに、自身の名前を付けた競走馬の馬主でもある。蕭氏は会長職に就きながら、いまだ国内と海外を行き来する忙しい日々を送っている。

その口から語られる「悔いがないようにいかに生きるか」という命題は、重く響く。
昨年2016年に設立55年を迎えた大手IT企業を束ねる蕭氏の言葉だからこそだ。蕭氏はこの「いかに人生を充実させるか」という考え方を、経営や事業の長期的展望を考える際の礎にしている。

企業概要と事業概要

大洋システムテクノロジーは、ビジネスコンサルティングの機能と卓抜したIT技術力で、クライアントの業務課題を解決する総合ITソリューション事業を展開している。
たとえば業務改善していく際、改善点の洗い出しから、解決するための業務システムの企画設計、構築から運用まで、すべて1社でプロデュースしてくれるのだ。改善フローの提案からシステム導入までを1社で賄うメリットは大きい。複数企業が携わる際に発生しやすい情報流出のリスクを回避でき、また各作業工程の連携がスムーズになるという点だ。

大洋システムテクノロジーは、確固たる技術力を武器に日本のIT業界の草創期を生き抜いてきた。
いまではその「技術力」に、「ビジネスコンサルティング」を積算して、事業価値を高め、業界に比類なき存在感を放っている。

2.中国の介護需要に乗り出した戦略眼

中国における高齢者介護の現状

日本国内での介護需要は年々高まり、社会問題化しているが、同じように中国での高齢者介護事情も深刻な問題となっている。
2050年には65歳以上の高齢者人口は、総人口の3分の1に達し、4億5000万人のぼる見込みだ。しかし、中国の介護問題が深刻なのは、高齢者の増加だけではない。

ひとりっ子政策による介護者の不足

中国政府が推進してきたひとりっ子政策の弊害で、「介護者の不足」も起きている。
両親と子のみで構成される核家族世帯は、2013年時点で約3億人。この数値は中国全土の全世帯で見た場合、約70%にあたる。つまり、中国では子が働き盛りの時に、親2人の介護問題に否応なく直面する現実があるのだ。

子世代は自分の子の子育ての時期ともバッティング。介護施設やサービスの需要は切迫した問題となっている。

需要に対しての介護施設と職員の不足

中国における介護施設の数はまだまだ少ない。
高齢者介護における必要な介護用ベッド数は、国際標準で高齢者総数の約5%と定められている。

しかし、中国には2010年時点で高齢者総数の約2%未満のベッド数しかなく、国際標準には到底届かない。根本的な介護施設数が不足している現状がわかる。

比例して、介護職に携わる職員数も需要に対して少ない。
職員数を確保できていない背景には、労働報酬の安さ、拘束時間の長さ、過酷な業務内容、精神的ストレスなどのさまざまな要因がある。

大洋システムテクノロジーが展開するグローバル介護ビジネス

中国での養老介護に関するさまざまな問題が顕在化する中、その解決にいち早く名乗りを挙げたのが大洋システムテクノロジーだ。
国内での福祉介護業界における問題を、大洋システムテクノロジーは、きめ細やかなコンサルティングと独自開発したシステムの導入で解決してきた。たとえば、介護保険や利用料など契約者間で発生する請求業務のほか、職員の勤怠管理、具体的な介護計画まで切り込んでシステム化。現状の職務従事者の人数で施設を円滑に運営できるように、多角的な視点での業務改善を提案・実行する。

大洋システムテクノロジーは、醸成してきたノウハウを活かし、中国市場にも進出。現在、自社のグローバル事業として、順調に事業規模を拡大させている。

この海外進出を成功に導いたのは、成長性のある中国市場をターゲットにした蕭氏の卓抜した経営的戦略眼がある。
また経営手腕もさることながら、自身の信念に「いかに人生を生きるか」というQOL(人生の質)の向上を掲げてきたからこそ、たどり着いたフィールドともいえる。誰もが心豊かに生きられる社会を、思考力と技術力で提供したいという思いこそが、中国市場での介護支援サービスの展開にはあった。

3.今後の事業展開と2つのSatisfactionの重要性

蕭氏は成功を収めながらも、今後の目標を次のように語る。
「IT業界にさらなる新風を吹き込みたい。そのためには、柔軟な発想を活かして『革新的な事業展開』を打ち出していく」

蕭氏はこの理想を描ききるために、2つの満足が必要だという。
顧客満足(CS)、そして従業員満足(ES)だ。蕭氏は、「顧客にサービスの価値を評価されてはじめて企業の価値は向上し、それが企業や従業員の進化になる」と話す。

従業員満足を目指して

蕭氏は事業の永続的な発展には、「人材の重用が不可欠だ」と人材育成にも力を入れてきた。
また、「従業員の精神的成長を促す環境づくりを推進するのは、企業の責務だ」と続ける。そして整備された快適な職場環境にいるべきは、主体性を持った従業員だという。蕭氏自身も主体的に仕事に取り組み、仕事の本当の楽しさや面白さを知って邁進してきた背景がある。

蕭氏は会社を担うこれからの世代に、「仕事の本質に触れて知る『充実感』」を全員に味わってほしいと望む。仕事を通して得る充実感こそが、ルーティンにも思える社会生活の中で、目新しい幸せとなっていく。

「従業員が『働いていてよかったなぁ』と思える会社を目指す」
蕭氏の口ぶりには一分の迷いもない。大切な従業員とともに全社一丸となって、今以上に「誇り」を持てるように環境づくりを進めていく方針だ。蕭氏の快進撃はまだまだ続く。

会社概要

商号
株式会社大洋システムテクノロジー(公式サイトへ)
所在地(横浜本社)
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-5クイーンズタワーC19階
所在地(東京本社)
東京都千代田区霞が関3-2-6東京倶楽部ビルディング9階
代表
代表取締役社長 蕭 敬如
設立
2016年9月(創業1961年4月)
従業員数
単体210名、グループ連結480名、海外関連事業1400名(2014年7月末現在)