はじめに

野菜やお米といった農作物が育つためには、土の存在が欠かせません。しかし、ひとくちに「土」といっても、その性質はさまざまです。粘土質で重たい土や、砂のようにさらさらとした軽い土など、場所によって土の種類は異なります。農業に適しているとされるのは酸素や有機物、微生物などが適度に含まれ、水はけと水もちの良い土です。育てる作物の種類にもよりますが、こうした土は比較的野菜作りに向いているといわれています。

他にも、良い土であることにはいくつかの条件があります。例えば、作物が根をはりやすい土であることです。土中に多様な生物が棲んでいると、土の粒が大小混ざり合い適度な隙間ができるようになります。これを土の団粒化といいます。また、通気性や排水性が良く、清潔な土であることも大切です。土の酸度も、チェックする必要があります。酸性やアルカリ性に偏りすぎず、適度な酸性であることも良い土の条件だといえます。さらに、土に多くの有機物が含まれていると、安定して品質の良い野菜を収穫することができるようになります。

作物の良し悪しや収穫の安定性は、土によって決まるといっても過言ではありません。天候や虫害など、その他の要因ももちろんありますが、農業において土作りは特に大切な要因の一つなのです。

石膏再生協同組合とは?

「石膏再生協同組合」は、廃石膏ボードのリサイクル事業に従事する中小企業経営者が集まってできた組合です。100%リサイクルを目標に掲げ、環境汚染の防止や循環型社会への貢献、地球環境の保全活動といったものを目的として設立された団体です。石膏再生協同組合では組合員同士の連携や扶助といった活動の他、販売事業として商品の共同販売を行っています。

組合商品の一つである「エコカル」は、廃石膏ボードをリサイクルして作られた土壌改良材です。「エコカル」にはカルシウムとイオウが多量に含まれており、作物の生育を助けると共に、土壌の団粒化を促します。すでに述べた通り、良い土は安定して質の良い農作物の収穫へとつながります。「エコカル」の開発の陰には、農業における土作りの大切さへの深い理解があるのです。そこで今回は、石膏ボードのリサイクルと土壌改良を結びつけ、農作物の育成にも力を入れている「石膏再生協同組合」の理事、井寄準氏にお話を伺いました。

「石膏再生協同組合」を起ち上げられたきっかけについて教えてください。また、これから力を入れていきたい活動などありましたら教えてください

石膏再生協同組合の立ち上げ時には、理事をしておらずわかりません。

今の建物は、壁・天井には石膏ボードが多く使われており、石膏ボードが使われ出した建物が20年・25年と経ち解体時期を迎えております。廃石膏ボードは建設廃棄物の品目別排出量で見ると、コンクリート塊、アスファルト、建設汚泥、建設発生木材に次ぐ規模であると言われており、さらに今後大幅に排出量の増加が見込まれています。

リサイクル等に係る取り組みについて、特に解体系廃石膏ボードにおいてはまだまだ追いついていない状況で、埋立てに頼ることも多いのが現状です。廃石膏ボードは処分条件によっては硫化水素の発生原因となるため、管理型最終処分場に埋め立てるとされていますが、管理型最終処分場ひっ迫の懸念材料にもなっています。

このような廃石膏ボードの問題は平成19年11月から平成20年12月の間に行われた建設リサイクル制度の評価・検討に係る中央環境審議会建設リサイクル専門委員会等で審議された中では、「直ちに特定建設資材に追加できる状況にないが、まずは解体時の現場分別の徹底についての措置を講じるとともに、将来の特定建設資材への追加を念頭において、実態調査や関係者の協力を得ながらリサイクル技術の開発やリサイクルルートの拡大、リサイクル製品の育成を図るなど、早急にリサイクルの促進に向けて必要な取り組みを実施すべき」とされています。

このような背景から、石膏再生協同組合も石膏に関する専門組合として活動しております。
近年では、石膏ボードリサイクル推進ネットワークとも合併し組合規模も拡大しており、全国における廃石膏ボードのリサイクルに力をいれ活動しています。

どのような経緯で、「エコカル」を取り扱うことになったのでしょうか

組合としてリサイクル製品の開発をしている中、農業用資材エコカルが誕生しました。組合では他に点字ブロックも作っています。

「石膏再生協同組合」の強みについて教えてください

石膏再生協同組合は廃棄物処理業者の参加者が多く、全国に廃石膏ボードリサイクルしている会員もいる事から、リサイクル石膏粉の需要がある地域に近い場所から必要量を供給することができます。

また、三ヶ月に一回、石膏ボードに関するセミナーを開催している事で最新の情報も入手可能です。具体的には、東日本支部(東京)・西日本支部(大阪)の交互でセミナーを開催しています。

「石膏再生協同組合が活動」する上で、特に心がけている事などありましたら教えてください

廃石膏ボードをリサイクルする中で、品質の確保・安全性の確保には気を使っています。また、確実な情報提供ということも心がけています。

今後、取り組んでいきたい事などありましたら教えてください

石膏に関する問題を一つずつ解決し、幅広く石膏を使えるように、品質の安全性と基準を設け、行政とも連携しガイドライン等を作り、石膏に関わる業者すべてが一つの基準を守って業務出来る体制を作っていきたいですね。

取材を通して感じた事

現在ある建物の多くに使われている石膏ボードに、大量排出によるゴミ問題があるということは初めて知りました。埋め立て場の問題は危機感がありますね。しかし、井寄準氏が理事を務める石膏再生協同組合では廃石膏ボードを農業用資材や点字ブロックにリサイクルしているとのことで、ゴミ問題や資源再生について希望が感じられました。井寄準氏をはじめとする石膏再生協同組合は石膏の専門組合だそうなので、今後も廃石膏ボードの有効活用に対するさまざまな取り組みを行ってくれそうですね。石膏再生協同組合のユニークな取り組みを、これからも応援していきたいと感じました!