国元商会

前泉正信氏が代表を勤める国元商会の理念と事業内容

国元商会を引き継いだ前泉正信氏

国元商会は前泉正信社長が率いる「建築資材のメーカー商社」です。1952年に前泉正信氏の父であり、現会長の前泉澤央が始めた、ボルト・ナットを取り扱う4坪の小さなお店として始まります。その後、親子二代に渡って事業に取組み、2015年3月決算では売上高60億円、従業員109名にまで成長させました。

創業者の長男として産まれた前泉正信氏は、阪和興業株式会社を経て1978年3月に国元商会へ入社しています。入社後は、創業者の下で、企業理念や経営哲学を学び、1992年6月に創業者の後を継ぎ、社長へと就任します。バブル経済の崩壊やリーマンショックによる経営危機を乗り越えつつ、事業継承時には45億円ほどだった売上高を60億円まで成長させ、売上100億円を超える企業を目指しています。

メーカーでもあり商社でもあるという国元商会の特徴は、その経営理念と現場のニーズ・ウォンツ・シーズに基づいた製品展開にあります。特徴的な事例が耐震補強金物KSコボットの開発です。1995年に発生した阪神淡路大震災では前泉正信社長宅も被害を受けました。前泉正信氏は、我が家を建て替える際に、二度とこんな被害が起きないよう、どのような地震が来ようとつぶれない家を作ろうとしましたが、現場の大工さんからは「今、日本の木造住宅あった良い金物はない。木とともに耐えられる良い金物があれば使います。社長の会社でつくりなはれ」といわれます。

国元商会が大切にする現場の声であり、この一言をきっかけとして社会を良くしようとする経営理念の元、前泉正信氏宅を実験台として、国元商会は耐震補強金物KSコボットを開発します。こうして現場から生まれた耐震補強金物KSコボットは、日本建築防災協会や、東京や兵庫を始めとした各自治体の推薦工法として紹介され、地震の被害を減らすことで社会へも貢献しています。

社会に貢献する国元商会の理念と精神

「企業とは社会を良くするために、財とかサービスを提供するという共通の目的を持った人間の集団である」が国元商会の企業理念です。営利企業はお金儲けが優先になりがちですが、お金儲けではなく、社会をよくすることを第一としたこの企業理念は、創業者から二代目である前泉正信氏に引き継がれたものでもあります。

また、この企業理念は以下の4つの事業精神として定義され、より良い社会作りへの貢献を目指しています。

第一の事業精神は「為さざる有るなり而る後もって為す有るべし」です。やってはいけないことは何があってもせず、世の中のためになることであれば、目先の利益を度外視してでもやりぬく精神とされています。

第二の精神は「不易流行」です。「道義」という人として変わってはいけないことは守り抜きながらも、日々進歩する科学技術などは積極的に使いこなしていく精神です。

第三の精神は「師は自然にあり」です。困ったときは自然に学ぶこと、自然を師として自らを謙虚であろうとする精神です。自然を制圧するのではなく、自然に学ぶ東洋的な発想で、経営から製品開発、工場レイアウトまで幅広く活かされています。製品開発では、卵の形状や、しなる竹をヒントに生まれた商品もあります。また、この精神を育てるために、国元商会のロビーには自然の象徴として屋久杉の銘木を置いています。

第四の精神は「ニーズは現場に在り」です。電話やメールは便利ではあるものの、そればかりでは現場の正直な声は届きません。現場に足を運び、現場の人と心を通わせてこそ、ニーズやウォンツをつかめます。営業の現場では、営業半分、ニーズ・ウォンツ探しを半分としており、国元商会の独自商品はこの精神から誕生しました。

国元商会の一貫したサービス体系

「建築資材のメーカー商社」である国元商会は、製品開発から製造、販売まで建築資材に関わる一連の事業を行っています。このバリューチェーンを一貫したサービス体系が国元商会の特徴です。

バリューチェーンのスタート地点である製品開発について、国元商会では企業生命の明日への源泉と考えており、新製品の開発に力を入れています。企業理念に基づいて、建築の現場が求めるニーズやウォンツを元に商品開発が行われます。オリジナリティの高い商品開発により、これまでに約500件の工業所有権を取得してきました。

製造においては、金型からプレス加工、組み立てといった一連の製造工程を自社工場で完結できる体制を整えています。自社工場ですべてを手がけていることから、同一製品においても、現場の声を聞きながら常に品質の向上を図ることができています。また、一部の生産ラインでは無人化が進んでおり、最終的にはすべてのラインの24時間無人化を目指しています。

こうして開発・製造された製品を全国に展開するのが、大阪本社を中心に東京支店、九州営業所、そして関連会社のクニモト札幌といった全国ネットワークの営業体制です。国元商会の営業スタッフは、お客様の元に商品を届けるという製造業バリューチェーンの最後を担うとともに、お客様のニーズを吸い上げて次の製品開発や品質の向上に活かす役割をも担っています。一般の商社と違い、開発から製造、販売まで一貫した事業展開を行っている国元商会だからこそ、営業が集めた現場のニーズを製品開発や製造現場での改善へとシームレスに活用でき、大きな強みとなっています。

会社概要

商号 株式会社国元商会
本社所在地 大阪府大阪市鶴見区今津北三丁目4番27号
従業員数 109名(2015年5月)
設立 1959年5月
代表取締役社長 前泉正信
公式サイト
https://kunimoto-s.co.jp/
事業内容 建設資材メーカー
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とくりん

とくりん

ライター歴7年。日々勉強中。趣味はサウナでの精神統一。

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