はじめに

現在の医療業界においては、産婦人科医の不足と減少が問題になっています。

他の診療科に比べて35歳以下の若い医師が少ないことも特徴で、産婦人科医は今後も減少を続ける見込みです。

産婦人科医が減少してしまった原因のひとつは、ご存知のように少子高齢化で出生率が下がり続けていることがあります。

医学生が自分の専門を決めるときには当然将来性も考慮するため、産婦人科を選択しなくなってしまうのですね。

また、もうひとつの原因として医療訴訟が増えていることもあります。
産婦人科では「安全に出産できて当然」という意識が患者の側にあるためか、医療ミスに関して厳しい目を向けられてしまうという現状があります。

そのような厳しい環境にある産婦人科ですが、赤ちゃんを出産するお母さんやその家族にとってなくてはならない大切な存在です。

今回は、長年地域に愛されている「母と子の上田病院」とその経営者であり病院長の上田大介氏をご紹介していきます。

母と子の上田病院とは?

母と子の上田病院は、神戸市中央区にて昭和23年(1948年)から長年産婦人科として地域の人々に愛されてきました。

母と子の上田病院で生まれた命は今までになんと3万人にものぼり、現在の病院長もその中のひとりです。

母と子の上田病院の特徴は、産婦人科と小児科の連携にあります。
出産前のお腹の赤ちゃんの状態をきちんと把握し、もしもの事態に備えて小児科医師が待機しておくことで、出産直後に迅速な措置をとることができるという、より安全な出産をサポートできるのです。

このような高いレベルをもったチーム体制だけでなく、すべてのスタッフが心のこもったサービスを目指すこと、さらに、心地よいデザインに明るい雰囲気の施設を整えることで、母と子の出産が安心して無事に迎えられるよう、全力を尽くしています。

このように、安心安全に新しい命を迎えるための「母と子の上田病院」を経営するのが、上田大介氏です。

今回は上田氏の生い立ちから、今後の病院の取り組みについて、ご本人に直接伺うことができました。

育った環境を教えてください

産婦人科医師の父親の三人兄弟の次男として、母と子の上田病院にて出生しました。

幼少期は神戸で育ち、親は特に医師を志せという教育方針はなかったので、自由奔放に育てられました。

学業では、神戸市立の小学校、中学校へ経て、兵庫県立の兵庫高校へ進学。小学校時代には少年野球に明け暮れ、中学時代はバスケットボール部、高校時代はラグビー部と色々なスポーツを経験していましたね。

学業よりもスポーツが優先の生活だったと思います。

印象に残っている幼少期のエピソードを教えてください

活発な少年でした。とにかく走るが好きで得意。運動会の徒競走では負けたことはなかったですし、学校では一番速く、神戸市の大会に出て2位という結果も残しました。

どんな子どもと言われていましたか?

神戸市立ではありましたが、小学校、中学校ともに成績は良かったです。高校は学区内で最も優秀な兵庫県立兵庫高校に進学したので、勉強はできた方だと思います。

あと、とにかく走るが好きで得意であったため、皆からカールルイスと呼ばれていた時期もありました。

一番興味のあったことは何ですか?

小学校時代に興味があったのは、走る事です。中学時代は人間にも興味がありました。

特に心理学の勉強をするのが好きで、高校時代はラグビーに没頭しました。小学校時代から続けていたピアノも高校時代に披露したことがあります。

子供の頃描いていた将来の夢は何でしたか?また、その理由を教えてください

中学校の教師でしたね。

その理由として、自分が中学生の時に、自分の事を理解してくれる先生に出会えなかったので、思春期の少年・少女の心を掴む教育をしたいと思ったからです。

今後も高いレベルを持ったチーム体制や安心・安全な出産のために、取り組まれていることがありましたら教えて下さい。

まずは、自分自身の健康が大切だと思っています。身体が病むと心は必ず病みます。ですので、毎日10キロメートルの早朝ランニングをして体力づくりを心掛けています。

また、日々、スタッフや周りの人間に感謝することを忘れないようにしています。診療においては、患者様一人一人を丁寧に診るように心がけていますね。

取材を通じて感じた事

母と子の上田病院を経営する病院長である上田大介氏を取材して、これからの産婦人科にこうした志を持った医師が増えることを願う気持ちが強くなりました。

これから、医師不足によって安全な出産ができなくなるようなことがある日本になってしまうようでは、女性は安心して妊娠できませんから、ますます少子化が進んでしまうことになるでしょう。

また、上田大介氏が心理学に興味を持っていたことも、素晴らしい体力を身につけてきたことと同様、産婦人科医として一流になった要因の一つだと思いました。

妊産婦は自分の体の変化だけでなく、メンタル面も大きく変化していくことに戸惑いや不安を感じます。そんなとき、安心感を与えてもらえる産婦人科医がいたらどれほど心強いだろうと思います。

上田大介氏のようなリーダーシップのある優秀な若手産婦人科医を目にすることで、それに憧れる医学生たちが産婦人科に進んでくれることを心から願いました。